俺達は一端、勝負に集中させる為、電話を切った。

しかし、タイムリミットは残り10秒を切っていた…

「くそっ!!勝敗がつく前に終わっちまう…!!」

早くあいつと勝負して、勝って…続きを聞かねぇと…!!

そう思い、携帯からコントローラーに持ち替えた…


と、その時―――――


再び康太からの着信。
一瞬、出ようか迷ったが、気が変わって話の続きを話してくれるのかもしれない!

そう思い、電話に出た。

「もしもし?康太か!?どうした!?」

俺は何も知らず、話の続きを聞けるんだと、ワクワクしながら康太の言葉を待った。

しかし、康太は少しの沈黙と…

「巧…気を付けろ…これは罠…だ…」

「え…!?」

訳が分かず、康太に聞き返そうとしたが、遅かった…

電話越しには“プー…プー…プー…”っという音だけが響き、その瞬間、すごい右腕に激痛を感じた。

「ぅ゛う゛っ…」

痛さのあまり声にならず、ただ唸(うな)るだけだった…

どうゆう事だよ…!?
罠って…!?

「う゛ぅ゛っ…い゛でぇ゛……う゛っ…ぐあ゛ぁ゛――――――!!!!!!」

ボキッ、ボキボキボキッ、ブチッ…

考える暇も与えられず、嫌な音と共に、俺の右腕はぐちゃぐちゃに折られ…一瞬にして契(ちぎ)られてしまった…


俺はその場に気を失った…



そして、ゲーム画面には“ゲームオーバー”とだけ表示されていた。