俺は考えた…

康太が全く同じ事を考えて、俺の今にたどり着いた今、完璧に勝つ見込みがなくなった…

そして康太もまた、俺に勝つには相当頭を使わないと無理だろう…。

なぜなら、お互い相手の様子が分かるからだ。
相手が何をしようかなんて、画面に映る相手の行動、ゲーム画面を見れば分かる。

負ければ右腕切断…そんなもので済む訳がない…!!
それどころか、命まで落としかねない!!

例え勝ったとしても、何処かを失うかもしれない…

これは慎重に行かないとな…

そう思った時、携帯の着信が鳴った。

「くそっ!こんな時に誰だよ!!」

俺はイライラしながら携帯の画面を見た。

「康太…!?」

そう、着信の相手は今、俺と対戦中のはずの康太からだった。

俺は画面に映る康太を確認しながらも、電話に出る。

「はい…」

「よお、巧。お前も同じ事考えてたとはな…だが、俺はこうなる事くらい予想してたぜ?恐らく、俺達をこんなゲームに巻き込んだ奴らもな…」

「なっ…!?」

何だって!?

「おい、それは確かなのか!?何の目的で!?それに、俺達が殺した人間は…」

「多分、生きてるだろうな…」

俺が最後まで言う前に、康太が答えた。

「い、生きてるって…どうゆう事だよ!?」

俺は予想外の康太の言葉に、驚きを隠せなかった。

「まあ…この話は後だな。こうしてる間に時間は過ぎていく…お前との勝負が付き次第、この話の続きをしてやるよ。ただし、お前が俺に勝ったら…だけどな」

そう言う、テレビ画面に映る康太の顔は笑っていた。

この笑みが、何だか不気味に感じるのは気のせいだろうか…?