音のする方を見ると、画面のど真ん中に

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参加者2名
まもなく対戦を開始いたします。
準備が出来次第、スタートボタンを押してください。
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と表示されていた。
時刻は11時45分。
いつからカウントされていたのかは分からないが、あの箱を渡されてからまだ、そんなに経ってはいないだろう。

まさかこんなにも早く、康太が参加をしてくるとは思わなかった…

心の準備もまだのまま、俺は慌ててゲーム機の前に座り、コントローラーを持った。

「ごくっ…」

唾を飲み込み、スタートボタンを押す。

すると…
画面に、まるで自分達がこのゲームの中にいるかの様に、俺と康太にそっくりな人間が現れた。
多分これは、3Dなのだろう…

これからいったい、どんな対戦が始まろうとしているんだ…?

結局、内容も調べられないまま、レベル2がスタートしてしまった…

俺に勝ち目はあるのか?
右腕を失った康太はきっと、取り返そうと必死になるだろう…
俺を憎んで、仕返しに俺の右腕を奪おうと思っているだろう…

そんな奴に勝てるかは分からない。

だけど、俺だって右腕を失いたくない。

「わりぃな、康太」

そう呟き、内容説明が映し出された画面を見る。