「ぐぁぁあっっ!!!!」

マウスを持つ手とは反対の手で腕を掴み、勢いよく引っ張った。

しかし、離れない。

「っ…はぁっ…!!くそっ!!何でなんだよ………うわぁあっ!!」

すっかりマウスに気をとられて画面の事を忘れていた。

女の子…いや、女の人はもう画面のすぐ近くまで来ている。

そう、すでに女の子は大人の女へと変化しいていたのだ。

その女は髪が異常にも長く、片目は前髪で隠れ、もう片方の目からは赤い涙が流れていた。

俺はまた、あの人形のようにこの画面に映る女を、何処かで見た事があるような…そんな気がした

そう言えば…最初に映っていた女の子…

ま、まさか…!!

いや、違う!ありえねぇ…あいつは死んだんだ…あいつは…それにあいつはまだあの頃はガキだった…じゃあ…この女は…

俺はチラッと片目だけ画面にやった。

『久しぶりw巧くん♪』

「…っ…?!」

俺は一瞬目と耳を疑った。
画面に映る女の口が声と共に動いたように思えた。それに…今…巧くんて…

「な、なわけねぇよな…はは…」

すると、さっきまで止まることのなかった手が急に止まった。それと共に画面の女が消えた…

「消え…た…?」

俺は何だかホッとして全身の力が一気に抜けた。