部屋に入るなり、鞄の中にある携帯を取り出す。

それと共に“パサッ”と何かが落ちる音がした。

ふと下を見ると赤い封筒が落ちていた。

「何だ?この封筒…?」


封…筒…


「あ!!」

俺はこの“赤い封筒”を見た途端、さっき拾った封筒の事を思い出した。

後から見ようと思っていたものの、すっかり忘れていたのだ。


―――拾ったらすぐ見ろ――


「そういや…この封筒…」

俺はこの“赤い封筒”が、なんとなく白い封筒に似ている様な気がした。

そして…裏側に書かれてあった言葉がどうゆう意味なのか…

俺はそれが気になり、急いで鞄をひっくり返し、中の物を全てベッドの上に出した。


「な、ない…?!」


そう、鞄の中に入れたはずの封筒がいつの間にか無くなっていた…

何処かで落としたのか?
いや、そんなはずはない。
確かにさっき、鞄の中に入れた。しかし、俺の鞄の中から出てきたのは赤い封筒…


――――?!

もしかして――…


俺は思った。

さっき拾った“白い封筒”が“赤い封筒”に変わったんじゃないか…?

と…

そんな事、現実に起こるはずがないのは分かっている、だけどそれしか考えられない。

俺は恐る恐る“赤い封筒”をもう一度見てみた。