「で、話って?」

星がしていたテニスの選手のポスターやラケットが飾ってある男らしい部屋。


でもシンプルで片付いている。


「あのさ、本当に私のこと覚えてないの?」

さっきのことが嘘であって欲しい。


やっぱり気になるよ…


「…大空…、音羽って、俺の"過去"の人かな?」


過去?私は首を傾げる。


「ごめん。分かんないよね。実はさ、俺記憶喪失になったみたいなんだよね。」


記憶喪失…きおくそうし…つ?


その言葉が理解出来ない。


頭の中に言葉が入ってこない、読み込めない。


どういうこと?


「ど、どういうこと?教えてっ!」

突然、星は頭を抱える。

「ねぇっ!」