俺はなこの居場所を作ると決めた。



決めたんだ。



でも、俺にやれる事は少なくて…。



『なこちゃん俺の子どもにしちゃお』



なんて言う社長に頼っちまった。



あんな軽いノリで言った社長だったけど、やっぱり裏では色々と考えてて…。



すぐになこの戸籍を移す手続きをしたかと思えば。



『淳が“うちの子”を嫁にもらうときは俺に頭下げんだぞ〜ウケる‼︎』



とヘラヘラと言われた。



そこで社長は俺となこの将来を見てくれたんだと気付いたわけだけど……。



まだ俺はなこに“その手の話”をしたことはない。



というか、今のところするつもりもない。



俺はなこを愛してるけど、なこはまだ分からないと思うから。



うわ、サラッと愛なんて言ってる俺キモい…?



そして……、



『自分の娘がオトコと二人きりで生活なんて許せん‼︎』



とか何とか言い出した龍さん。



もうすでに社長の域を超えてる。



以外となこのことを気に入っていたらしい。



この際だから色々変えちゃおう〜的なノリでデカイ家を買い、その敷地内に事務所を構えた。



セキュリティは並大抵のモノよりはるかに良いし、申し分ない。



そりゃ、家族になったからには一緒に住みたいのもわかる。



けど、行動が早すぎる…。