「表紙に絵デカデカと載せちゃったし?その出来が良かったし?有名な画家が褒めちゃったらしい」



褒めちゃったらしいって…。



え、なこデビューすんの?



「ネコ次第だよな。デビューって簡単なことじゃねぇし。精神的にも体力的にもネコに負担がかかるのは事実だ」

「ケンの言う通り。なこちゃんと話し合ってみろ」



なこに負担かかる…。



俺の写真集手伝ったばかりに。



「…ん……じゅん?」

「ネコ起きたのか」



ケンさんの声に頷くなこ。



未だにケンさんですら、一言二言話すか頷く事しかできない。



そんななこをデビューさせる?



決して楽じゃないトコロに放り込むのか?



「ちょっと考えさせてください……」

「淳、守るだけが愛じゃねぇ。よく考えろよ。1週間時間やるから」



守るだけが愛じゃない…か。



怖がるなことずっと家で過ごして、外に出るときはずっとくっついてて。



悲しませないためなら、なこのためになるなら。



そうやってずっと過ごしていって…。



それで本当になこは幸せなのか?



これからのなこの長い人生を縛り付けてることになる…?



俺、なこの里親たちとやってること変わんねぇじゃん。



あー‼︎もう‼︎



社長の言葉が離れねぇよ……。