「お前、エズメ?」
今度は震えなかったか?でも威圧感を与えるまではいかない。50点。
━━っ!うぅ……。
少し反応した…か?アイツの名前は"エズメ"で間違いないはず。やっぱ、顔色とかわかんないから、どうすりゃ良いか分からん。
仮面。……剥がす、か。
俺は今、少年漫画の中のヒーローとかそんな感じなのか?……毎週、漫画買ってて良かった……!!
こんなときにこんな思考判断できるのは、毎週漫画を買っている賜物と言えるだろう。……ヒロインがいないのがどうかと思うが。
……あっ。なんか、中二病的な感じになってる!!
だめだ。エズメには、皆を殺された。
……まずは仮面を剥がす。
キイィイイィインッ!!!!
うっ!こんなときに……放送するなバカ。耳痛え。
『こォうらぁあァァー!エズめぇー!トットト殺せィ!オソォイ!』
くそ、またきちがい野郎の放送か!エズメはっ!?
━━うがぁぁあがががぁあああ───!!
遠吠え!威圧感半端ない。
エズメがヨロヨロと走り出した。吐いたからか?生まれたての小鹿みたいだ。……見たことないけど。ってか、殺しに行くつもりか!止めなくちゃ……!
「待て!エズメッ!!!!」
エズメに向かって、俺は走り出した。自慢だが、俺は足が速い。小鹿に追い付くだけの走力がある。