「じゃあ生きかえさせてみせる。──!!」


そう言って、エズメは血の海の中へ歩き始めた。は、意味がわかんね。生きかえさせる?絶対無理だ!


「おい、待てエズメッ!!!!」


ついつい、感情的になってしまう。すると、エズメは振り向いた。その顔は真剣そのものだ。


「ねえ、僕の仮面はどこにある?ちょっと貸して欲しいんだけど」


俺は黙って動かなかった。また仮面を被って大量虐殺なんかに行ったら困るからだ。ふてくされたようにしていると、エズメは怒ったように大声を出した。


「早くしないと、戻らなくなる!!早く!!!!仮面を!!!!!!」


「……また、人を殺したりするんじゃねーのか?どう使うんだ!説明しろよ」


「…………。血の上に仮面を乗せて念じる。それで生きかえる。……これでいい?」


冷静にエズメは言った。でも、言葉からは焦りが感じられる。


「証拠は?言っとくが俺はクラスメイトをお前に殺されてる。……俺はお前の事を信用していないからな」


「!!!!……まだ分からないの!?早くしないと戻らなくなるって言ってるの!確かに僕は、皆を殺した。でも、仮面を剥がされた今、殺戮行為をする気も無いししたいとも思わない!」


早口でエズメは言った。仮面を外した後も威圧感は健在のようだ。


「……分かった。でも、仮面は俺が置いていいか?」


何があるか分からない。一応保険的なものはかけておく。そうエズメに伝えると、少々不満そうにうなずいた。


「じゃあ、君が置いてね。でも、念じることは僕にしかできない。念じるときは邪魔しないでよ」


「……じゃあ、置くぞ?」