「はあはあ……。うぅ、う?」
意識が戻ってきた……!起きろ起きろ起きろ!!!!
「ぼ、僕は……」
目は開かないが、今しっかりと声━言葉━を発した。
「お前は、エズメだ!起きろ……!」
エズメのまぶたがゆっくりと開く。
俺は自分の気持ちがよく分からない。
エズメは、3億人ものヒトを殺した。許せない存在だ。でも、でも今は━━━━
「━━お前を、助けたいよ!!!!エズメッ!!!!」
「僕の名前は━━エズメ?……キミは?」
緑色の目をしたエズメは優しい声で、俺にそう言った。
「俺は、蓮太郎。レンタロウだ!」
エズメと俺は、目を見つめあった。そして、エズメと━━━
あははははひっ!!
心の底から、笑いあった。
ほんの、一瞬だけ。
エズメを助けた今、更に自分の気持ちが分からなくなった。助けたいという願いが叶ったいま、復讐的なことをすべきなのか。あるいは……。