「弥生、ごめんね。また近々会おう」

「そうだね。次はえっちゃんと咲ちゃんも誘ってさ」

「うん。またメールする」


バイバイ、と手を振って秋人を追うと、「茜!」と弥生に呼び止められた。


「ん?」

「自信持ちなよ。茜は私の親友なんだから」

「弥生…」


アキが事故に遭ってから、塞ぎ込んでた私の側にいてくれた弥生。

恥ずかしくて言えないけど、本当に感謝してるんだ。

弥生がいてくれて良かった。
弥生が親友で、私は幸せだよ。


秋人と店を出ると、冷たい風が頬を撫でて首をすくめた。


「茜、マフラーは?」

「今日忘れちゃって」

「ったく、ほら」


そう言って、秋人は私に自分の黒いマフラーを巻いてくれた。


「え、いいよ!秋人が風邪引いちゃう」

「馬鹿。茜に引かれるよりかはマシ」