「水沢君……すごいね……」

「……えっ?」



それまでずっと興奮した様子だった明里が、突然真顔で呟いた。



「だってさ、元はと言えばこの試合、雫のために頑張ってるんでしょ?」

「あ……!」

「ただでさえ暑いこの季節に、他人のためにこんな苦しい思いまでして頑張るのってなかなかできないことだと思うよ?」

「……うん……」



そうだった……。



あまりにも暑すぎて途中からすっかり忘れていたけれど、元々私のために助っ人も引き受けてくれたんだった……。


今更ながらにそのことが、心の奥に突き刺さる。