「ストライク!バッターアウト!」

「キャーッ!!!」



10個目の三振に、より一層大きな歓声が沸き起こった。


潤君の額から溢れだした汗が頬を伝いポタポタと滴り落ちる。


ユニフォームの袖でそれを拭いながら、荒くなった呼吸を整えるように間合いを取り直す。



0対0のまま一進一退の攻防を繰り返し、回はいよいよ9回表を迎えた。


ここまで潤君が打ったヒットを含め、こちらの攻撃が合計8安打と当たっていないわけではない。


しかし皆単発なものばかりで、いずれも得点には結びついていなかった。