「……ニャン太……」



しばらく考え込んでいた潤君がボソリとつぶやく。



「え……? えぇっ!? ニャン太!?」



あまりの安直さとネーミングセンスのなさに思わずツッコむ。



「し、しかも猫ちゃん女の子だよ? せめてニャ~子とかニャニャ美とか……!」



他人が聞いたらそれもどうかと思うと言われそうな名前を並べつつ、なおもツッコミを入れるのだが



「……ニャン太がいい」

「!!!」



無表情の中にもどこか得意げなその顔に、結局押し切られる形となってしまった。



う~ん…仕方ないなぁ……。


「ニャン太、よろしくね!」


―― ……バリッ!



やれやれと思いつつ猫の頭を撫でようと手を伸ばした瞬間、見事にニャン太からの痛い洗礼を受けたのだった。