「あ、あはは~!なんでも、ないよ……!」
ま、またしても挙動不審な姿を見られちゃった……。
毎度どうしてこうもタイミングが悪いのだろうと、我が身の運のなさを呪いつつ、無理やり笑顔を取り繕う。
そんな私には見向きもせず、「ふぅん……」と興味なさげな潤君が近付いてきた。
―― カサリ
手に提げた白いビニール袋が、歩くたびに音を立てて揺れている。
「それ、なぁに?猫ちゃんの餌?」
「あぁ。納豆」
「なっ、納豆っ!? ……ぷっ……!」
全く予期していなかった答えに、思わず吹き出しそうになる。
「ね、猫ちゃんて、…っく…納豆っ……た、食べるの?」
「うちのはよく食ってた」
本人はいたって真面目に答えているから余計に面白い。