「そういえば、何で昨日の放課後裏庭なんかにいたの?」

「!?」


突然の問いかけに、潤君が驚いたような顔をして目を見開く。



「そ…それはだな……」



なんとも歯切れの悪い様子で、照れた時の癖なのだろうか、先程にも増してしきりに鼻先をさすっている。



……もしかしていけないこと聞いちゃった!?



潤君の様子に一瞬焦ったものの、そんな姿に呼応するかのようにすぐにまた私の妄想が暴走を始める。



やっぱり昨日裏庭にいたのは、誰かから呼び出されたからだったのかな!?

呼び出した女の子、私のせいで告白できなくなっちゃったから悪いことしちゃったよね……。



妄想は止まらない。



きっとすっごく勇気がいったよね……。もしかしたら一晩中悩んだかもしれない。それなのに邪魔しちゃって……本当に本当にごめんなさいっ……!



誰ともわからない相手に心の中で必死に謝る。


なまじ初恋がまだな分、他の女の子達より恋愛に対する憧れが強いため、つい自分の世界に浸って妄想してしまうのが私の悪い癖だった。