……あ、あれ……?
またも自分の言動に驚く私。
普通に当たり障りのない会話から入ろうと思ったのに、緊張し過ぎてまた水沢君を『師匠』呼ばわりしちゃった!
「あ、あの!ご、ごめんなさいっ……!」
場を和ますどころか、逆に気まずさが益々アップし自滅状態である。
そんな真っ赤になっておろおろする私に、水沢君が小さくつぶやいた。
「……師匠……」
「……えっ?」
「師匠って呼び方、恥ずかしいからやめてくれ」
決まりが悪そうに横を向きながら指先で鼻をさすっている。
「じゃ、じゃあ、何て呼べばいいんですかっ?」
どことなく恥ずかしそうな水沢君の仕草になんだか嬉しくなった私は、勢いよく顔を上げた。