「あ、あの、それでね潤君」
「ん?」
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」
「?」
急に歯切れが悪くなった私を、潤君がいぶかしげに見つめている。
「その……なんてゆーか……」
やっぱりこの質問をしようとすると、突然言葉が出てこなくなる。
どうしようっ。絶対潤君に変な子だって思われてるっ!
「あ……あのねっ」
おろおろしながらも、なんとかして伝えようと顔を上げた。……次の瞬間 ――
「んっ……っ」
潤君の唇が私の唇へと重なった。
「っ!!」
触れたかと思うと、すぐに離れてしまった短いキス。
驚きで目を見開いたまま真っ赤な顔で立ち尽くす私に、潤君が平然とした顔で呟いた。
「なんかお前、不安そうな顔してたから」
「ふ、不安っ!?」
先程までの不安など、今のキスで全てどこかへ吹っ飛んでしまった。
「もう大丈夫か?」
そう言って私の顔を覗き込む潤君に、ちょっぴりズルいウソをつく私。
「……まだ……不安……」
なんとも大胆な私の言葉に、今度は潤君が驚いて目を見開いた。
やがて……
「ずっと一緒にいような」
潤君は私の耳元でそう囁くと、再び私の唇へ、今度は長い長いキスを降り注いだ。
【END】