「ふーん、そっかぁ……。水沢君、そんなに怒ってたんだ……」

「うん……」



明里になだめられてようやく落ち着きを取り戻した私は、明里に先程の出来事を説明した。



「でもさぁ、水沢君、なんでそんなに雫のこと怒ってるんだろうね?」

「え?」



納得いかない様子の明里が、首を傾げながら呟く。



「だっておかしくない? いくら大切にしてるネックレス触られたからって、それだけでそんなに怒るもんかなぁ?」

「そ、それは……きっと私が冗談とかも言ったりして茶化したからじゃ……ないかな……」

「えーっ? だって少なからず今までの関係から見てても、水沢君が雫のこと最低でも友達として見てたってのは間違いないじゃない?」

「うん、まぁ……」

「その友達を、たったそれだけのことで無視する程怒るって、やっぱおかしいと思うけどなぁ……?」

「う……それはそうだけど……」



誰が聞いても、もっともな明里の意見に、私もそれ以上反論することができない。



でも、だったらどうして潤君はそんなに私のことを怒っているのだろう……?



いくら考えてみても、今の私には皆目見当もつかなかった。