『好きな女から貰ったんだ』
その言葉が、私の体中に突き刺さり頭の中をグルグルと回っている。
好きな女の子から貰った物を今でも大切にしているのだから、それ以上聞かなくても、その子のことを潤君が今も想っているということは明白だった。
会話もなくその場に立ち尽くす私と潤君。
「DVDでも見よう」
「あ……う、うん。そうだね……」
程無くして潤君が声を掛けてきた。
心が……見えない……。
ここ最近随分柔らかくなっていた潤君の表情が、出会った当初の無表情なものへとすっかり変わっていた。
さっきまであれほど嬉しくて浮かれていた自分が、まるで嘘のように思える。
切なくて悲しくて苦しくて……とても現実を受け入れることが出来なかった……。