あれ?潤君どうしたのかな……?
「これっておもちゃみたいだけど、潤君のなの?」
「……わからないのか……?」
「え?」
「それ見ても、何も思わないのか……?」
「何かって……何……?」
私の返答に、みるみる間に潤君の表情が驚きから険しげなものへと変わって行く。
どうしよう。私、何か気に障ること言っちゃったのかな……。
それとも、大切な物なのに勝手に私がケースから出しちゃったから、そのことを怒ってるのかな……。
怖い顔で黙ったままの潤君を目の前に、ただ立ちすくむ私。
あまりにも重くなってしまった空気を一新したくて、冗談のつもりで無理に笑いながら潤君に問いかけた。
「アハ、そんなに大切にしてるってことは、もしかして好きな女の子から貰ったとかかなー?」
「…………だよ」
「えっ……?」
「そうだよ。好きな女から貰ったんだ」
「…………」
「だからこれ以上それに触るなっ!」
「っ! あ……の……私……」
「ごめんなさい」と消え入りそうな声で謝り、ネックレスを潤君へと渡す。
怖い顔をした潤君は粗々しい様子でそのネックレスを受け取ると、そのままジーンズのポケットへと押し込んでしまった。