「なんだろ。ジュエリーケースかな?」
ケースの側面は木製で、上の面だけがガラス張りになっている。
上から中を覗き込むと、そこにはキラキラと輝く雫形のストーンがついた、キレイなネックレスが入っていた。
「ティアドロップネックレスだ!うわぁ、可愛いっ!」
あまりの可愛さに、一気にテンションが上がる。
「ちょこっとだけ出して見てみてもいいかなぁ」
自分の名前と同じ形のネックレスに興味津々な私は、大胆にもケースからネックレスを取り出した。
シャラリ
ゴールドカラーのチェーンを手に取ると、意外にも想像していたものとは違う感触が伝わってきた。
「あれ?思ってたより軽い。それにこのチェーン……プラスチック製?」
よく見ると、ストーン部分もプラスチックで出来ていた。
「これっておもちゃだよね?なんで潤君、おもちゃのネックレスなんて持ってるんだろう……?」
そう思った瞬間、突然私の胸の中になんともいえない懐かしい感じが広がった。
「何だろうこの気持ち……。すごく懐かしい感じがする……。」
私も幼い頃に同じようなネックレスでも持っていたのだろうか?
気になって、なんとかして思い出そうと記憶をたどろうとしたのだが……。
ズキンッ
「痛っ」
その途端、突如こめかみに鋭い痛みが走った。