「お……」



ピーっ!



「!」

「!?」



潤君の言葉を遮るように、突然どこからかけたたましい音が聞こえてきた。



「悪い。お湯、沸いたみたいだ」

「あ……」



支えていた私の体から潤君が手を離し、ケーキの箱を受け取る。



「今お茶淹れてくるから、適当にその辺に座ってて」

「う、うん……」



そう言い残すと、何事もなかったように潤君は部屋を出て行ってしまった。



「び……っくりしたぁっ……」



途端に体中から力が抜け、へなへなとその場にへたり込む。



「はぁっ……はぁっ……」



息が苦しい。


緊張のあまり、息をするのも忘れていたようだ。



「潤君、何て言おうとしてたのかな……」



あのままヤカンに邪魔されなかったら、今頃どうなっていただろう?



「う゛~っ……」



身勝手な妄想が頭の中にどんどん膨らんで、恥ずかしさのあまり思わず足をバタバタさせる私。


今回といいこの前のニャン太に邪魔された時といい、とにかく潤君が言いかけた言葉の続きが気になって仕方がなかった。