いったい、何がどうなってるの……?



目の前で起きている事態が全く飲み込めない。



リカちゃんは、私を助けてくれたの?それとも……。



混乱して頭が真っ白になった私は、ただ呆然と2人の姿を見ているしかなかった。



「リ、リカっ! これは、その……まだ途中なんだっ……」

「……」



殴られたにもかかわらず、怒るどころか半泣き状態で懇願するようにリカちゃんにしがみつく先生。


氷のように冷たい目をしたリカちゃんが、そんな先生の手を勢いよく振り払い信じられない言葉を投げつけた。



「あーあ。せっかくチャンスあげたのにねー。」

「リカ……?」

「っこの役立たずっ!」

「っ!!」



リカちゃんから罵声を浴びせられた先生は、立ったままガックリと肩を落としうなだれている。


まるで抜け殻にでもなってしまったかのようだ。



これは、何……?



今見ているもの全てが信じられなくて、体中が否定しようとしている。


だが、それでも偽りだということの糸口さえ見出せずに、ただただ救いのない暗闇へと追いつめられていくようだった。