遊園地に行く日程は、あれよあれよという間に桂馬と和樹君2人で決めてしまった。


明後日に決まったよ、と笑顔で言った桂馬には驚いた。本当に急すぎる。早くて来週とかの話かと思っていたのに。

予想以上に早かった。


ただ、嬉しそうにいう彼に、嫌だと言えず曖昧に笑って、頷いた。





ファミレスを出て、暗くなり始めた道を桂馬と2人並んで帰った。隣に並んで斜め下から見る桂馬も結構好きだったりする。


身長差のある私たちは、立って並ぶと私はすごく見上げて、桂馬は私を見下ろして。私の身長は桂馬の肩にも届かないから、意識しないと視線が合わない。その身長差も好きだったりする。


見慣れた建物の前で静かに歩みを停める。もっと一緒にいたいのに私の家へと帰り着いてしまった。


「またな、帰ったら連絡する」


毎日のように会っているのに、いつもここで別れるのがつらい。名残惜しくて、握り合っていた手をなかなか離すことが出来ない。


そんな私の様子に、彼は優しく微笑みながら、一度ぎゅっと手を握り締めてくれた。そして、そっと私を引き寄せる。


「可愛い」


照れを誘う言葉とともに、額へとキスが落とされた。


「……//////」


どうした?何が起こった?と状況に付いていけずに、頭の中で疑問ばかりが浮かぶ。いつもと違う彼の反応に、あたふたとしてしまう。


状況を飲み込むのに少し時間がかかってしまった。顔が一気にカーッと熱くなるのを感じた。


「ほら、早く家の中に入りなよ。お父さんを心配させないうちに」


私の反応を楽しんでいるのか、クスクスと笑いながら、私の頭をそっと撫でてくれた。


「……またね」


甘すぎる雰囲気に耐え切れなくなって、早口に別れを告げながら逃げるように我が家の玄関の扉を開いた。


やばい、また心臓を鷲づかみにされてしまった。


彼は私をどうしたいんだろう。こんなにも桂馬のことを好きにさせて、どうしてくれるんだ。


また明日。そして明後日も。何度好きだなって確認させられるんだろうか。