「「いただきます」」


テーブルに並べた夕飯を前に、2人揃って手を合わせる。


野菜炒めだけだと寂しいな思い味噌汁も追加したし、無事に見つけたご飯も解凍して茶碗に移したし、急いで作った割には見れる夕飯になったかなと思う。


「……うまい」


「そんな褒められるようなものは作ってないよ。時間があればもっとちゃんとしたものも作れるよ」


感心したように言われて、少し恥ずかしくなり、照れを隠すように食事をする手を止めないままに言った。


誇張したわけでもなくて、機会があれば本当に作ってあげたいと思っている。


「早く食べてしまおうよ」


「そうだな、もうこんな時間だし」


壁に掛けられた時計を確認すると、21時を過ぎていて、本当に遅い時間になってしまっていた。急がないと、お父さんの迎えが来てしまう。


出来れば明日の桂馬のご飯もなにか用意してあげたかったけど、今日はそんな時間ないみたいだった。


まずは自分の食事を済ませることを目標に、黙々と箸を進めていく。


いつもなら家事なんて面倒だなって気持ちが強いのに、今日はなんでもやりたい気分だ。どうしてしまったのだろうか、いつもより少しテンションが高く、興奮気味な自分がいることに気づいた。


きっと、改めて私を桂馬の仲間がいることが分かったからだろうか。


もっとたくさんの人に会えたらいいな、軽い気持ちで勝家さんからの報告を楽しみにしていた。