同じクラスの和樹君は桂馬と中学からの友達で、和樹君の彼女の沙耶ちゃんも含めて4人はクラスが一緒。桂馬と和樹君が仲良しだったことをきっかけに、私も沙耶ちゃんと仲良くなって、4人で放課後に遊んだり、ご飯を食べにいったりと一緒に行動する事がよくある。


今回もその流れらしい。


休日に一緒に出かけようっていうのは初めてかもしれない。


というより、桂馬とも遊園地なんて行ったことがない。初めては2人きりがよかったのに。すごく優しいんだけど、桂馬はこういう所が鈍感なんだよね。乙女心を分かっていないというか……そこも好きなんだけど。


これが惚れた弱みというものなんだろうな。


「じゃあ決まりな」


そう言って、メールを打ち始めた彼をぼんやり眺めていた。


メールの相手は和樹君だろう。男の子2人は一緒に行きたいだろうけど、沙耶ちゃんはどうなんだろう。


私と同じように思ってるんじゃないかな。


楽しそうな桂馬を見ていると、このままでもいいかと思ってしまう。


まあいいか、今回は。今度は2人で行きたいねって、遊園地デートの後に言ってみようかな。


いつ行く?とか、さくさくと話を進める桂馬の姿が思い浮かんだ。また今度でもいいね、私が望めば彼は絶対叶えてくれるはずだから。


今私が考えていることが彼にバレてしまわないよう、緩みそうになっていた頬を頑張って引き締めた。