どの位立ち尽くしたままで時間が経ったのか。私には分からない。


ピクリとも動かないじいちゃんと泣き叫ぶばあちゃんを他人事のようにただ眺めていた。


先ほど男がやってきた方から、大きなざわめきが聞こえてきて、ゆっくりとそちらに視線を移した。目に飛び込んできたのは真っ黒い服を着た人たち。帽子を深く被っていて、顔はよく見えないけれど、全く同じ格好をした人が5人やってきた。


少し立ち止まったかと思うと、彼らの持つライトのようなものから強い光が放たれている。そして、周囲にいた人たちはバタバタと倒れていくという、異様な光景が目の前には広がっていた。


1人の男がこちらへと近づいてきて、私たちにもサッカーボールくらいの大きさはありそうな機械を両手で上へと持ち上げた。


……何？そう思ってと同時に、目が眩むような強い光が放たれた。


光を見た瞬間頭が割れてしまいそうな激しい頭痛に襲われて、目の前が薄暗くなってきて、足にも力が入らなくなっていた。


どうしよう、立っていられない。


「……ばあちゃん」


同じように光を浴びたばあちゃんが、他の人たちと同じように倒れてしまった。


ゆっくりと右手を伸ばして助けようとしたけれど、その拍子に私の身体までもどんどん傾いていく。


地面に吸い込まれるように、ゆっくりと倒れてしまった。


目の前のばあちゃんに再び腕を伸ばそうとしたところで、私の意識はぷっつりと途絶えてしまった。