「妃奈!帰るよ!」


いつの間にか先生はいなくて
もう下校になっていた。


「う、うん!また明日ね、那月くん!」


わたしがそう言うと那月くんは
ヒラヒラと手を振り
「明日ね〜」とニコニコしていた。



「のんちゃん、那月くんいい人だね!」


「妃奈?いい?
人のことを簡単に信じちゃいけません!」


のんちゃんはいつもそうやって
男の子を、遠ざける。


のんちゃんって…
「男の子きらいなの?」


「はぁ…妃奈にはわからないことよ。」



なんて言われた。
私のおうちのすぐ近くまで来たので


「じゃあまた明日ね!のんちゃん!」

と言って家に入った。



明日はもっと友達ができるといいなぁ
なんて思っていた。