迎えに来るまで待って。

その言葉があたしの心にスッと溶けて染み込んでいった。
奏汰は来てくれる。
あたしはそれを待つんだ。

会えないことは悲しいし寂しい。
でも、耐えてみせる。
奏汰とならきっと、いや、絶対遠距離でも繋がってられるよね。


「わかった。あたし待ってるね!」


そして、しばらく忘れていた笑顔を奏汰に向けた。
奏汰だって悲しくない訳ない。
寂しいのはあたしだけじゃない。
握っている奏汰の手、震えてるよ。
だから、今度はあたしが安心させてあげないと。


「奏汰、これからもよろしくね!」

「結衣」


そのあとあたしたちは泣いた。

離れたくない、ずっと一緒にいたい。

それは少し未来の夢にして。


あたしたちは、明日から遠距離です。