───翌日、巳波はいなかった。
部活の時も校庭を走る姿がない。
なんでだろ。
あたしは部活中、
先生の目を盗んで、こっそりポーチの中に忍ばせておいたケータイを手に取った。
画面を見ると、受信メール1通。
ドキっとしている心。
昨日のあれから、ずっと巳波からメールが来なかったから。
もしかしたら。
そう考えて無駄な期待。
今の時刻はPM5時。
巳波が学校に来てたならメールが送れる時間帯じゃないもん。
淡い期待は儚いから。
すぐに消える。
ほら、やっぱり。
メールが来た時間、12時頃だしお昼じゃん。
だからいつも、あたしは期待しちゃダメ、って自分に言い聞かせてきたのに。
期待しちゃう感情を抑えていたのに。
なんで?
キミは、そんなあたしの
自分を守る術すら破っていくんだろ。
―――――
本文
今日頭痛くて学校休んだ!
学校終わったらメールして♪
待ってる。
大変だけど勉強と部活、頑張れ
―――――
慣れない言葉打って、普段は言わないようなこと文章にして。
メールを読んだ瞬間分かったよ。
巳波が無理してることくらい。
昨日、あたしが迷ってたからでしょ?
嘘付いて、離れようとしたからでしょ?
泣いてたからでしょ?
わがまま言ったからでしょ?
気遣って、メールしてくれたんだよね。
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