中学校の入学式から数日。



あたしは後ろの席の、

あなたが好きでした。


木下大祐(キノシタ ダイスケ)。


学級委員長で、
盛り上げ上手で、
優しくて。



いつも笑ってるあなたが、


あたしは好きだった。





でも、クラス替えで離れちゃったんだよね。


だからそれっきり話してない。







中学2年の秋。


あたしは、

幼なじみのあなたに恋をしました。


笹木拓真(ササキ タクマ)。



あたしは、

“拓”

って呼んでる。




小さい頃から、
ずっとそう呼んできたから。



これからも変わらないと思ってた。


だけど、あたしは拓を好きになっちゃったんだ。




辛いことも、沢山あった。


想いを伝えられないまま、時間だけが流れて。



気付いた時には、あたしはもう
中学3年になってた。






まだハッキリと、木下君のことを忘れられたわけじゃない。




この時のあたしは、

中途半端に2人のことが

好きだったんだ。






学年がまた1つ上がって、拓とクラスが離れた時。


木下君とクラスが離れた時より
辛かったのは、どうしてかな。




上手くいかない。


そんな幼なじみへの恋に、あたしはただ

涙を流した。



初めて、
恋をして涙が零れた瞬間だったんだと思う。






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