「歩ける確率が低いのよ。それなのに
頑張る意味…あるの?」

京ちゃんに理由を聞かれて
今でも泣きそうな声で説明する連嬢さん。

「だったらなんだよ。歩ける確率は?」

「…20%…しかない。」

絶望感に満ちた顔をしながら
言う連嬢さん。

フッ。京ちゃんが小さく笑った。

「20%しか?笑える。20%もあるやん!
なんで頑張らんの!?」

京ちゃん…20%って…。
私が思っていたよりはるかに少ない。

「なっ!80%は無理なのよ!?」

「おう!残りの80%は努力すればいい!
あとは20%の勇気。ほらこれで120%
歩けるじゃん!」

「はっ…バカみたい。」

「バカなのはあんた。頑張るのが怖くて
逃げてるだけやん。あんたは歩けやん
くてええん?」

サッーと少し冷たい風が吹く音が
聞こえた。

「歩きたいわよ…私の…夢は女優よ!?
車椅子の女優なんか聞いたことないわよ…。」

「じゃあ頑張ればいいやん。」