少し笑ってる京ちゃん。
その笑顔は不安から解放されたような
清々しい笑顔だった。
「だから、双子は同じクラスになれんやんのに無理言って同じにしてもらってん。」
またゆっくり歩きながら言う。
そうだ。双子って普通は同じクラスに
ならないのか。
「ふうなちゃんと再会できて良かった。
めっちゃ嬉しい。」
"ふうなちゃん"…京ちゃんがそう呼ぶ時は
真剣な時。
いつもは"ふうりん"って呼ぶから…。
でも風鈴とはイントネーションは違う。
「ふうなちゃん…2年くらい空いたけど…
もっかい友達になってくれる?」
そう言いならが京ちゃんは
私に手を差し伸べたその手は
震えてるように見えた。
「当たり前だよ。」
私は京ちゃんの手をしっかりと握った。
今日の夕日は綺麗に見えた。
私は…この時にはもう…
"かたい壁"が崩れかけていることに
気づかなかった…。