身にあまる『罪』を生きている間に清算できないのならば、あとは地獄にでもなんでも落とされるはずだ。

アストー・ヴィダートゥによって捕縛され、暗い深淵へと引きずり込まれるものと思っていた。

そうではない贖罪の方法など、私に、あるのか?

眼前の炎が、手を伸ばすように、私へ揺らめきの一端を伸ばしてくる。

私の『意識』が、その熱によって染められる。

「私はお前を見てきた。そして私は、お前がお前の存在定義に則って生きることこそ、『罪』を清算する裁きに相応しいと考えた」

純白の世界に突如にして無数、正方形の切れ込みが入る。

そのいずれもに、私が映し出されていた。

動く、私の映像。

永遠の春にまどろんでいた私。

そして草薙仁と出逢った私。

魔術を覚え始めた私。

草薙仁に褒められている私。

草薙仁と笑っている、泣いている、怒っている私。

白の庭中を歩き草薙仁を探している私。





そして世界が崩落した瞬間の私。