ーーーシンゴに問われた時、





ハルトよりも先に、ナツキの顔が思い浮かんだ時に、気づくべきだった。





こうやって、ハルトのことを考えても発作を起こさないようになったのも。





誰のおかげなのか、気づくべきだったんだ。


















「...ゴメン」





ボソリと、呟くように囁いたシンゴは、逃げるように教室を出て行った。



一人になった私は、ただ呆然と立ち尽くすだけで。











(......ごめん......シンちゃん......ハルト......。
............ナツキ..........。

私、ナツキのこと............)











亀裂が生まれないように、なんて願ったくせに。


私の軽率な一言で、きっとナツキを傷つけた。


梅雨はまだ終わっていなかったのだろうか。


ポツポツと、外では雨が降り出していた。











私達の間に、亀裂が生じたのは、この日からだったーーー。