「......そうなのか?お前ら誰が見てもお似合いなのに...。
......なぁ。
ーーー気づいてんだろ。ナツキの気持ち」
「......え?」
ナツキの...気持ち?
「俺でも気づいてんだぞ...!
ナツキ......お前のことーーー!」
その時、思ってしまったんだ。
今の世界を、壊したくないと。
恋愛とか友情とか、そんな物を持ち込みたくないと。
亀裂などーーーなにがなんでも入れてはならないと。
だから、私はシンゴの言葉を遮った。
「やめてよ、友達だよ!...大事な、大事な友達」
「.........そっ、か」
数秒間、二人の間になんとも言えない空気が流れた。
だから、
ガラッ
やけに大きく響いた、教室のドアを開ける音に、私もシンゴも意表を突かれたんだ。
振り向いて、目を見開く。
そこに立ってたのは。
「あれ、シンちゃんとアリナ、まだ残ってたの?」