「ナツキ臭ってどんな臭いだよ...」とぼやいているナツキをスルーして、そこまで推測したところでハッとする。
「やっば、時間やばい!!じゃあねナツキ!お疲れ様!」
「おう!お疲れ!」
全速力で更衣室に駆け込んで、人生最速で着替えて、校舎を出た。
駆け足でカレンが待つ自転車置き場に向かいながら、ちょっと思い出す。
(...ナツキ腹筋割れてたな〜。やっぱサッカー部ってハードなのかな、筋トレとか。
...馬鹿だけど、男らしいとこもあるんだなぁ...)
さっきナツキとぶつかって、触れ合った場所がドクドク鳴ってる。
「アリナーーっ!」
「レン、お待たせーっ!」
が、自転車置き場に着いたため、思考はそこで無理矢理止めたのだった。