カレンは伸びをしながらこっちに寄って来た。


私と違って彼女は徒歩通学なため、私もここからは自転車から降りて歩く。

高校から一キロ圏内に家がある場合自転車は使用できないのだ。




「うーっ、いよいよ今日からだね〜。
なんか今年、うちらの学校美少女と美少年多いらしいよ?」

「それ何処からの情報...?レンは面食いだもんね〜」

「うるさいなぁっ!」




軽口を叩きながら歩く。






大事な大事な私の親友、カレンは、中学二、三年生の時に同じクラスになった女の子だ。


彼女が希望したのでレンと呼んでいる。


大きな目に小さめの鼻、厚めの唇。


少し黒く焼けた健康的な肌が、うなじも見えるくらい短いショートカットによく似合っている。


髪をのばして肌も白かったら、そこらへんの男子がほっとかないくらい可愛い顔立ちなのだが...


ある理由で、彼女は自分が女の子らしく振る舞うことを、頑なに嫌がっている。







ーーー彼女も、人生の中で負った傷を背負いながら生きている。



親友、家族、仲間。



どの響きとも少し違う私とカレンの絆は、きっとこれからも永遠に続いて行く。