「わ、ナツキじゃん!ごめんね...ってーーー」







そこに立っていたナツキは、上半身裸だった。









ドキッ









ーーー弓道部男子は道場のすぐ横で着替えているため、
良くも悪くも、私達は男子の裸は見慣れてしまったのだが...



ナツキも例外じゃないでしょ?あれれ?

なんだろ今の『ドキッ』って。



首を傾げながら、私は彼に尋ねた。







「な、なんで裸なの??」

「あ、サッカー部一年は此処で着替えてんだよ。知らなかった?」




言いながら彼は制服のカッターシャツを着る。




「へぇ、そうなんだ。今まで此処で会ったことなかったよね?」

「サッカー部いつもはもっと練習終わるの早いからな〜。この時間帯に、女子更衣室前で着替えるの勇気いるわ」

「あはは!」

「てか悪ぃ、ぶつかって。汗臭かっただろ」

「ナツキは年中ナツキ臭がするから、慣れてるし大丈夫」




全部活動の部室は二年生が占領してるので、女子は校舎内の女子更衣室、男子は他の何処かで着替えなければならない。


教室棟は五時半になったら閉まってしまうので、本館の廊下しか場所は空いてないのだろう。


で、適当に場所を割り振られた結果、サッカー部は一階の女子更衣室前の廊下を使うことになったということか。