「...てかさー、アリナ表立った仕事超向いてんじゃん?
俺だったらあんなしっかり進行出来ねえし、正直カトミチよりピシッとしてた!

なんであんなに実行委員嫌がったのさ?」






ナツキの言葉は、素直に嬉しい。


なんだか、ひたすら耐え頑張ってきた地獄の三年間を、認めて貰えたみたいで。





「ああいう、前に立つ仕事は、中学の時にいっぱいやったから慣れてるんだ!
中学の頃、私テニス部の部長だったから、練習試合とかのたびに仕切りやってたの」

「え、テニス部キャプテン!?すげえじゃん!
じゃあ、尚更なんで?
そんなリーチがあるんなら、実行委員とかなんて得意でしょ?」

「...んー...」





一瞬の、逡巡。


言葉に詰まった私を見て、ナツキはすぐに勘付いたようだ。



「あ、悪りぃ。
話したくないことならスルーしてな」

「ん...ごめんね、いつもこんなことばっかり」

「ん、全然!そーゆーこともあるよなー、うんうん」




そう言いながら、私の頭をポンポンと叩く。
いや、撫でる、と言った方が良い強度だろうか。


...ナツキの手の温もりと、彼の笑顔。
それを感じて私も自然と微笑むのだ。


...もう既に慣れた触れ合いだった。











「じゃあ、部活頑張ってね!」

「おう!アリナもな!」






あっという間に下駄箱前に到着し、ナツキはサッカー部部室に、私は女子更衣室に駆けた。