「んじゃ、多数決で決めます。とりあえず顔伏せて、一人ひとつ手ぇ挙げてくださーい」
今現在は、文化祭の出し物を決めている真っ最中。
(...目立たない仕事はしないって言ったのになあ...もう)
今日はミチコが風邪で欠席なため、形としては『副実行委員長』な私が、しぶしぶこの場に立つことになった。
「じゃーまずは、『お化け屋敷』が良い人手ぇ挙げてー。
...はい次、『劇』が良い人ー。
最後、『教室迷路』が良い人ー。
......OK、決まりましたー」
挙がった手の数を数え、選択肢の中のひとつが過半数を超えていたので、それを発表した。
「二十三人が『劇』に手を挙げたので、これに決定します」
ーーーキーンコーンカーンコーン
丁度良いタイミングで、LHR終了の合図であるチャイムが鳴り、職員室から先生が戻ってきた。
「そんじゃあ、来週のLHRでは劇の内容と役を決めたいと思いまーす。
実行委員の方で、体育館での練習時間の予約は遠竹先生に確認取っておくので、後々報告します」
必要事項だけ言い切ってから、すぐさま私は自分の席に戻った。
帰りの挨拶をして、実行委員以外の人達は部活または下校となる。
教室に私とナツキが残り(コウタはハンド部の顧問が厳しいため、HRが終わったらすぐに部活に行ってしまう)、先生への報告を始めた。