私ーーー神村亜梨菜(かみむら ありな)ーーーは、一ヶ月前まで通っていた中学校でイジめられていた。
いや、イジメと言うのは正しくないのかもしれない。
ただ、テニス部部長だった私が部員の反感を買い、ハバにされ、仲間がいなかったというだけだ。
私の表の性格が、男ウケしたのが原因だと思う。
私は意識したことなかったけど。
クラスには喋ってくれる人はいたし、普通に笑って生活できていたんだから、幸せな方だろう。
けど、部活の時間は地獄だった。
指示を聞いてくれない部員、なんでも怒鳴り散らす顧問。
陰でテニスボールの空気を抜かれたり、部室の鍵を隠されたり、スコアを破られたり。
地味な嫌がらせをされ、私のせいにされたこともあった。
そして顧問に怒鳴られた。
そしてーーーそのイジメがピークに達した、中二の時には。
『ーーーハルト!!』
部活の件も、中二の時のあの“事件”も通して、不登校にならなかったのがーーー
いや、今私が生きていることが奇跡だ。
...それも。
「アリナ、おっはよーう!」
この子ーーー中村華恋(なかむら かれん)ーーーをはじめとする、三人の親友たちのおかげだ。
「レン、おはよ!!」