『アーちゃんと私が文化祭実行委員やるって話!!』
『いやだから私はやらないってば...』
『やろーよやろーよ!ほらナツキ君も説得してよ!』
『おぉ、アリナやるなら俺もやる!コウタ、シンちゃん、ご一緒にどうっすか?』
『んー、ナッキーやるなら僕もやるー!男女それぞれ二、三人ずつだったよね?シンちゃんもやる?』
『俺はガチな方でパス』
『ったくノリ悪りいなぁシンちゃん』
『さすがナツキ君、コータロー君!男子で実行委員やりたがる人いないもんね〜』
『まあな!惚れたか!』
『で、アーちゃんやるよね?』
スルーかよ!と後ろで喚いている男子に背を向け、ミチコは笑顔で問いかける。
口を挟む隙が無かったため、ただ静観していた私は真剣に悩んだ。
...この頃には私達は、コウタのことは『コータロー』、シンゴのことは『シンちゃん』と呼ぶように。
ミチコのことは『カトミチ』、私のことは『アリナ』と呼ばれるように。
それくらい、私たちは仲良くなっていた。
ーーー実行委員は、文化祭の出し物を決めてみんなを引っ張って行くという役割だ。
中学時代、テニス部の部長をやっていた私は、そのような仕事の経験値は多い方なので、身を持って知っている。
ーーーそのような立ち位置の人間は嫌われるということを。
だが。
『...あんま目立つ仕事しなくていいなら...やろっかな』
『『やった!!』』
ーーーこのメンバーで実行委員をするなんて、これ以上楽しいことは無い。
不安は大きかったが、楽しく星瞬祭を過ごしたい、という思いから実行委員をやることになった。