季節は梅雨。
どんよりとした天気が続く中、少しずつ夏に向けて空気に暖かみが増して行く今日この頃。
入学式から、気づけば二ヶ月以上が経過していた。
【六月八日】
「じゃあこの中から決めるよー。いいっすねー?無言は肯定と見なしまーす」
教卓の前に立ち、イマイチやる気のない声を出しているのは...紛れも無い私だった。
ーーーあれは一週間前のお昼のこと。
『ねえアーちゃん!一緒に文化祭実行委員やろうよ!』
と、ミチコに誘われたのが始まりだった。
星瞬高校では、夏休み明けすぐに文化祭と体育祭が二日連続で行われる。
ひっくるめて私達は『星瞬祭』と読んでいて、その実行委員に、男女各二〜三人が必要であって。
体育祭実行委員は、たしかカナやアヤナがなってた気がするけど...
...文化祭実行委員はまだ決まっていないな、確かに。
『いやいや、私そういうの向いてない。何言ってんのさ?』
『アーちゃんなら出来るって!私こうゆうの好きだからさ!ねーやろうよー』
『ハルカかレイ誘いなさい。私はやらないよ...』
『『何々、何の話ー?』』
私の言葉を遮るように乱入して来たのは...安定のナツキ達。
何か弁解をしようと私は考えるが、それより早くミチコが口を開けていた。