「...ん、もう来てたんだ?」

「さっきから居た。アリナの美声聴いてた」

「ほんと物好きだね、ユズ」










...私の親友の一人、ユウハだ。



『柚葉』という漢字から取って、私は彼のことを『ユズ』と呼んでいる。










ユウハとは、中学一年生の時に此処で出会った。



中学では同じクラスになったことは無いため、この場所が無ければ親友になんてなれなかっただろう。







木々の間にポツンと置かれているベンチに二人で腰掛けて、言葉を発した。