「...あの、誰が私をここまで運んで来てくれたんですか?」
中学の頃は、アストかもう一人の男友達ーーー福井柚葉(ふくい ゆうは)ーーーが運んで来てくれていた。
ユウハは私の親友の一人。
カレンとアストとユウハと私でひとつの存在として、中学では過ごしてきた。
でも、ここ星瞬高校には、アストもユウハもいない。
私より背が低いカレンが私を運ぶなど無理がある。
となるとーーー...
「名前はわからないけど...背の高い、カッコいい男の子だったわよ。おぶってきてくれて」
「...そうですか...」
ナツキだよなぁ...きっと。
迷惑かけてばっかりで悲しくなってきた。
後でちゃんと謝ろう。そう思い、まだクラクラする頭を布団の中に埋めた。