ーーー目を覚まして最初に視界に入ったのは、白い天井。
(...保健室、か。久々に倒れちゃったな...)
細長くため息を漏らし、寝返りをうつ。
そして気づく。
いつもの保健室じゃないことに。
(...あ、そっか。ここ、中学校じゃなくて高校なんだった...)
倒れた時のことを思い出した。
ナツキには悪いことをしたな。
なにも事情を知らないのに、思いっきり押し退けちゃったし。
その上目の前でぶっ倒れられたら驚くだろうな。
(...って、ちょっと待って!)
ふと重大な疑問にたどり着き、ガバッと起き上がる。
「あ、起きた?」
布団の布擦れの音に反応して、カーテンの向こうから保健室の先生が出てきた。
「あ、はい...すみません、迷惑かけて」
「いいえ。お友達...中村さんからお話は聞いたわ。ゆっくり休んで」
「...すみません......。...あ、あのっ」
きっとカレンが、事情を説明してくれたのだろう。
過去のトラウマが原因で、過呼吸を起こすことが多々あると。
情けないなあ、と再びため息をつき、さっき浮かんだ疑問を先生にぶつけてみた。