「えー。私、うまく喋れないし、目逸らすタイミングもわかんないし、なんとなく...」

「ならもっと喋ろうぜ。あからさまに目逸らされると、ちょっと傷つくんだよなぁ俺のガラスのハート...」





そう言って大袈裟に心臓を守るポーズをするナツキの姿に、私はツボって大爆笑してしまった。





「あっははは!!」

「えっなんだよそんなに笑う!?神村さんツボ浅くね!?」

「ひ、酷いっ!ひーっ!苦しっ!
でもほんと、ナツキ君は喋りやすいからすごい好きだよっ?」











心から思っていたことを、呼吸困難のせいで、ついポロっと言葉にしてしまっただけだったから、


それを聞いたナツキの動きが一瞬止まった理由がわからなかった。









ナツキは口元を大きな手で隠すように覆い、ようやく呼吸が落ち着いた私に問うた。








「...ん、ごめん、ありがと。良かった、じゃあこれからも喋っていいんだよな?」

「もちろん!みんなで一緒に喋るの、すごい楽しいもん!」

「ハハッ、ありがとな!
じゃあ早速。俺今コウタ達いなくて暇なんだ、メシ一緒しようぜ!」

「え、うん、OK!」











これまた軽い気持ちで返事をした自分。






後悔するのは三十秒後の話。